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2011/11/01 まこっちゃんのゴルフの本棚

「第10巻 痛ッ!ゴルフ虫に噛まれたゾ(夏坂健セレクションⅢ)」  夏坂健著 ゴルフダイジェスト社 まこっちゃんのゴルフの本棚 ゴルフライフ

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「痛ッ!ゴルフ虫に噛まれたゾ(夏坂健セレクションⅢ)」  夏坂健著 ゴルフダイジェスト社

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そろそろ秋も暮れ、ポロシャツの上にベストやカーディガンの一枚も羽織る季節になりました。これで、ポロシャツの裾をズボンの中に入れていても、家で娘に「ダサッ!」と言われずにすみます。それにしても、暑くもなく、寒くもなく、最高のシーズンです。皆さん、ゴルフに熱中されているでしょうか?

ゴルフ虫に噛まれたゾ

さて、今回、ご紹介しますのは、「痛ッ!ゴルフ虫に噛まれたゾ」(夏坂健セレクションⅢ)です。洞察力に優れた皆さんのことですから、私が、夏坂-その他-夏坂-その他-夏坂の順で、夏坂健セレクションを取り上げているのは、とうにお気づきのことと思います。今回も軽妙洒脱な夏坂節がふんだんに楽しめる一冊です。夏坂さんのエッセイは、登場人物が生き生きしており、「いるいる!こういう人!」という登場人物に出会えることが楽しみのひとつです。今回も、この本の中の一章「ドジ踏んじゃった!」の登場人物に、私の敬愛するU先輩に似た人物が登場しています。

「ドジ踏んじゃった!」の主人公は、「ドジなフレディー」のあだ名を持つ、フレッド・アムセットです。彼は、指が曲がってしまうほどの猛練習の末、全英アマの予選会に出場するのですが、遠足に行く子供さながら前日から荷物のチェックを繰り返したあげく、キャディバッグを車に積み忘れてしまったり、アイリッシュ・オープンでは、7番ホールまで1オーバーと健闘していたのに、8番ホールと間違えて隣にある13番ホールをプレイしてしまい失格。さらには、7つの倶楽部から5人づつの代表選手が参加して団体戦と個人戦を戦う「ダンディーズカップ」では、2日間の競技で2位に3打差をつけホールアウトしたのに、14番、15番ホールのスコアが正しくは「4・3」のところを「3・4」と誤記。トータルはあっているが、当然、失格。これを読んで、フレッド氏をどこかの「うっかり八兵衛」と同じ扱いをしてはいけません。フレッド氏は、海運会社の有能な経理担当者であり、民間の海難救助隊長として数多くの表彰を受けてきた立派な紳士です。

U先輩が、フレッド氏のような立派な紳士だけどドジなゴルファーなのか?違います。

フレッド氏のエピソードの後、カルカッタで行われた膨大な賞金争奪マッチ、「スウィープ・ステークス」でのローソン・リトルのエピソードが出てきます。最終ホール、ストロークプレイだというのに、相手の「OK」を早?込みして、うっかりボールを拾い上げてしまった。というお話です。

U先輩も、ローソン・リトルのような「うっかり八兵衛」なのか?惜しい。ちょいと違います。

U先輩が似ているのは、ここでは名前も出てきませんが、ストロークプレイなのに、「OK!」を出したローソン・リトルのお相手です。

ローソン・リトルは1940年の全米オープンの優勝者。いくら「OK!」を出されたからと言って、ストロークプレイの最中にボールをピックアップするほど、うぶなプレイヤーでは無い筈です。これほどの名手にボールを拾わせるには、相手がほんの一瞬、気を抜いた瞬間に、絶妙のタイミングで、「OK!」をかけなくてはいけません。しかも一度やったら、相手は警戒しますから18ホールでチャンスは1回。狙い澄ました絶妙な「OK!」だったのでしょう。このお相手も、さぞや、してやったり!とにんまりしたことでしょう。

U先輩はこの「お相手」に似ているのです。

私は月例競技の際に、仲の良いメンバーと一緒にラウンドしています。月例競技なので、OK無しの18ホールストロークプレイなのですが、ここで、U先輩は「OK!」を出すのです。大抵は、出された方も「Uさん、今日は月例だからOK無しですよ。」と冷静に対応します。特にスコアが今ひとつの時は、冷めてプレイしているので、あまり引っかかりませんし、U先輩も面白くないらしく、「OK!」の声は掛けないのですが、そこそこスコアが良く、月例競技の入賞がちらついたりして、夢中になってプレイしていたりすると、U先輩の「OK!」に見事に引っかかったりします。驚くことに、年にひとりやふたりは犠牲者が出ます。

この時のU先輩は、苦虫を噛み潰している同伴競技者を横に「こいつさぁ、月例なのに、ボール拾ってやがんの。ガハハハ!」と超ご機嫌のご満悦。

引っかかった同伴競技者が、「倶楽部としての品位を保って紳士的にゴルフをプレイをするべきだ。」という抗議も、仲間全員で「何言ってやがんだ。くだらねぇ。何言われたって、拾ったお前が悪い。」と却下されます。

こういうメンバーを「品が悪い」と眉を顰めるか、「面白いなぁ」と笑って共に過ごすかは、人それぞれです。もちろん、私は一緒に大笑いです。

この夏の月例でも、ひと組前でラウンドされていたU先輩の組が、楽しそうに大笑いされていました。追いついてみると、ちょいと様子が違います。周りの先輩方が大笑いしているのに、U先輩がひとり苦虫を噛み潰しています。どうやら、いつもの仕返しで、惜しいバーディパットを外したU先輩に同伴競技者が、揃って「OK!」の声をかけたところ、U先輩が、行儀悪いことに「ちぇっ!」とボールをパターでグリーンの外まで打ち出してしまったらしいのです。打った瞬間に、本人も「あっ!」と気が付いたらしいのですが、当然、ボールが止まったグリーンの外からプレイしなおし。なんとか、寄せてワンパットであがったものの、バーディ逃がしのパーだった筈が、やっとダボ。

いつもの自分は棚に上げて、「こいつらは、ストロークプレイの最中に『OK!』の声をかけるなんて、下品極まりない。」と憮然とするU先輩に、これまた長老のひとりから、「おい、若手からビシっと一言引導をわたしてやりな。」と言われた私が、「U先輩。。。往生際が悪いです!」言うと、U先輩「うるせぇ!死んでたまるか!俺はまだまだ、往生したかぁねぇんだ。もっとゴルフがしたいんだ。」

U先輩と私では30歳以上の年齢差があるのですが、それでも偉ぶることなく、「齢の離れた友人」として、悪戯を仕掛けて大笑いするU先輩たちは、私の目には、とても素敵に映ります。「将来、自分も、こういうステキなクソ爺になりたい!」と私は思います。


http://www.kagayagolf.com/hondana/book010.html

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